春になるとスペインには桜の花によく似たアーモンドの花が咲きます。
そして毎年、ああ日本では 卒業式 そして 入学式 の季節だなあと思い出します。
スペインには、入学に関する説明会などはあっても基本的に入学式というものはありません。
卒業式 Acto de Graduación は、私が通っていた大学院ではありました。
ありましたが...日本とは随分様子が違いました!
さて、どんなものだったのか、のぞいてみてください。
卒業式 という名のイベント
私が通っていた美術史の大学院では、TFM(修士論文)提出時期の約1ヶ月前くらいに大学事務所から案内が来ました。
出席希望の方はお知らせください、というもの。
つまり出席は希望者のみなのです。
美術史修士も比較文学修士も、1年で卒業する学生はそう多くはいませんでした。
でも卒業年度じゃなくても卒業生として出席できるんですよ〜
しかも、卒業式はTFM(修士論文)のプレゼンが終わる前にあるので、卒業年度だとしてもまだ完全には終わっていない、卒業できるのか未定の時期に卒業式です。
ちなみに私も美術史の修士では卒業年度の前の年に出席しました。
仲良しグループで、せっかくだから皆が揃う時に一緒に出席して写真撮ろうよ!という話になったからです(笑)
みんな卒業式にはあまり興味がなくて、出ない人が殆ど。
私が出席した時は、美術史修士の中で出席したスペイン人同級生はたった2人でした。
他はラテンアメリカ、台湾、そして日本の私。
服装も特に指定などなく、皆好き好き。
こちらは比較文学修士の卒業式の写真ですが、みんな思い思いの格好をしてます。

卒業式が行われる場所は、そっけない会議室の時もありますが、私が出席した時はとっても立派な講堂で行われました。
こんな美しい講堂があるとは知らなかったのでビックリしました。
当日、卒業式の直前に、講堂に入る順番や卒業証書を受け取る際の動き方とかの指示があります。
いや、ほんとに笑っちゃうほど直前の指示です。
でもまあそれなりに卒業式(風…)に仕上がりました。
私の印象は「卒業式という名の”イベント”」です!
下の動画は入場の時の場面を友達が撮ってくれていたものです。
1つの想い出として、やっぱり参加して良かったなと思っています。
【大学院の卒業式】春のスペインに咲く桜の花に似たアーモンドの花を見て、ああ日本では卒業入学シーズンだな、と思い出します。日本と様子が全く異なるスペインの卒業式の様子をブログに書いてみました。コラムのような軽い記事なので、覗いてみてくださいね
— Nanahttps://t.co/GfOXcCyi6R#Spain pic.twitter.com/JKxWATC0Sh
ナナ
スペイン
バルセロナ (@Nanita7777) March 27, 2021
日本の卒業式の定番、「国歌斉唱」はありませんでした。
曲も流れませんでした。
ちなみにスペインの国歌には歌詞はありません。
歴史的に各自治州のカラーが強く、文化や言語が多様なスペイン。
国民が納得する歌詞をつけるのが難しいのかもしれませんね。
卒業式 後の会食 Cena
卒業式の後は、これまた希望者だけで会食しました。
日本みたいに謝恩会みたいなものはありません。
誰かが言い出したら、希望者を募って、場所を決めて、軽〜く食事会。
卒業式後の会食で初めて話した同級生も沢山いましたよ。
何故なら基本15時〜21時までが授業時間で、授業が終わったらヘトヘト。
働いてる学生も沢山いますし、授業の後に遊びに行く!という感じではなかったのです。
また遠方の子は電車の時間に間に合わないので、授業が終わる前に教室を出る学生もいました。
そういうわけで、授業以外で顔を合わせお喋りするのがこの日が初めてだった人も多かったわけです。
本物の卒業証書はいつもらえる?
この卒業式という名のイベントでは、出席者は名前を呼ばれ、卒業証書を渡されます。
この時渡されるのは、”仮”の卒業証書。
厚みのある紙に記名されていますが、特に公的な書類ではございません。
みんなうちわ代わりにパタパタしたり、置くところがなくて証書の上に座ってたり
忘れていく人までいました(笑)
この時もらった仮の卒業証書はこんな感じです。
(旗や人形はついてませんw)

では、本物の卒業証書はいつもらえるのでしょうか?
本物の卒業証書 (Título )は、修士論文を含む全ての課目の成績が出たあと、申請し代金を払った人のみがもらえます。
そう、無料ではないのです。そしてとっても高い。
約220€ (約28500円)という驚きの価格。
そして、いつ貰えるかというと、早くて1年後くらいという驚きのスピードです(笑)
スペインのお役所仕事はとにかく時間がかかります。
それは外国人居住許可証(NIE)の手続きのお粗末さでよく分かっていましたが、卒業証書を一枚もらうのに1年以上もかかるとは驚きでした。
修士が終わり自国に帰国する人は、この証書をどうやって受け取るかという問題があります。
証書を受取る為にはるばるスペインを再訪するか、もしくは信頼できる人に受領と送付をお願いしないといけません。
他人が受け取る場合には大学事務所側に連絡しておく必要があるでしょう。
詳しくは分かりませんが私の南米の友達は、友人に頼んで送ってもらっていました。
また驚きの価格設定に関しても謎です。
スペインは色んなものの価格設定が謎なんですよね。
薬の値段は薬局によって違うし、とにかく紙に関するものが高く(ノートや印刷代など)、そして文房具が高い。
DELE (スペイン語検定)はどこの国より値段が高いです。
まあ、ビールとワインは安いんですがね...(笑)
そして卒業証書はこの驚きの高価格なので、卒業証書を申請しない学生も沢山いるようです。
さて、なんともカジュアルな卒業式の雰囲気、伝わりましたか
ところ変われば色々、ですね。
では、また!Hasta pronto !!!
Nana
スペインの留学生活にはシェア生活がつきもの。
私のシェア生活経験はこんな感じでした
スペインに住んでるからって、住んでるだけじゃ語学は上達しません。
スペインでも続けている教材や持ってきて良かったと思っている教材、日々使っているものの紹介です
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