〜Antoni Gaudí (1852-1926)〜
皆さん、いかがお過ごしですか😃
スペインで最初にコロナの感染者が確認されてから、1年が経ちました。
美しい世界遺産がたくさんある町、バルセロナ。
観光客がいない現在、バルセロナの文化施設はどのような現状なのでしょうか。
サグラダ・ファミリアをはじめ、数々の美しい建築物を世に残した アントニ・ガウディ(Antoni Gaudí 1852-1926) の建築にしぼり、コロナ禍の現状を調べてみました。
現在入場料を減額している施設もありますので、現地の方は是非情報を活用されてください。
Contents
サグラダ・ファミリア Sagrada Familia
バルセロナのシンボル、サグラダ・ファミリア。
近年、急ピッチに建築工事が進み、ガウディの没後100周年にあたる2026年の完成を目指していました。
しかしコロナ感染が急速に広がり、緊急事態宣言下に当時欧州で最も厳しい外出制限がしかれた2020年3月より、工事は中断され、また観光客への扉は閉ざされました。
約3ヶ月にわたるロックダウン後の一般公開は、7月初旬にまず医療従事者への感謝の意を示すための無料招待から始まりました。
続いて厳格なロックダウンに耐えたバルセロナ市民を称えるため、抽選で市民に無料開放されました。
(ありがたいことに私も無料招待券が当選しました)
しかし、3ヶ月以上にわたった一般開放中止と観光客の激減は、教会の大幅な減収をもたらし、厳しい経済状態のもと、ほとんどの従業員は休業扱いとなりました。
そして工事費用を主に入場料と基金でまかなっているサグラダ・ファミリア教会の工事は中断されたまま2020年を終えました。
現在、サグラダ・ファミリアは扉を閉ざしたままであり、一般公開は中止されています。
ところがつい先日、久しぶりに明るいニュースが紙面を賑わせました!
やっと2021年1月25日に工事が再開されたのです。
2021年度中に138メートルに達するマリアの塔の完成を目指すこととなりました。
しかし2026年完成を目指した工事計画は宙に浮いた状態で、今後のはっきりした計画はまだ発表されていません。
下はバルセロナ市民無料開放チケットの抽選に当たり訪問した時の動画です。
鳴り響く鐘とパイプオルガンの音色をサグラダ・ファミリア内で聴いたのは初めてで、とても感動しました。
美しいステンドグラスから差し込む光に魅了される日が、近く訪れますように。
昨年夏のサグラダファミリア。教会内でパイプオルガンを聴くのは初めてで感動しました。
— Nana🇯🇵🇪🇸ナナ🎨スペイン⛵️バルセロナ (@Nanita7777) February 26, 2021
今文化的な充足感が必要と感じていて...ガウディ建築の現状を調べました。割引情報もあるので現地の方は参考にされてください。
⬇ブログ【ガウディ建築・コロナ禍の今】https://t.co/PAOsEW1jPM#Spain pic.twitter.com/ogUKwbJJFl
バトリョ邸 Casa Batilló
グラシア通りをいっそう華やかにする、美しいバトリョ邸。
その有機的な造りと海の中を思わせる幻想的な内部は、私の大のお気に入り。
ロックダウン後は、バルセロナ市民無料開放日を設定し、また一般公開も再開していました。
ところが、2020年10月、アウトソーシング会社の従業員によるストが激化し、ステンドガラスが破損してしまったことから状況は一変しました。
(大規模な修復工事が終了したばかりでした)
バトリョ邸のHPにはこう記載されています。
「メガホンを使った大音量での抗議活動により、近隣住民、訪問者、また従業員に健康的被害が及ぶこと。攻撃的なストの投石により、世界遺産であるバトリョ邸の外観が破損したこと。
これらのことから、10月29日からバトリョ邸は一時的に扉を閉めることを決定しました。」
年間100万人を超える訪問客を迎えていたバトリョ邸ですが、2020年の入場者は78%減少。
そして現在もバトリョ邸の扉は閉ざされたまま、一般公開の再開の日は全くの未定です。
しかしその外観の美しさから今も訪れる人は絶えず、バルセロナ市民に愛される存在であり続けています。
【バトリョ邸 Casa Batlló】
Passeig de Gràcia, 43, 08007 Barcelona
Tel : 932160306
ミラ邸 La Pedrera / Casa Milà
バトリョ邸からグラシア通りをほんの3ブロック歩いたところにあるミラ邸。
その特徴的な外観と波打つ屋上テラス、戦士のようなモニュメント。
訪問客を魅了してやまないミラ邸は、以前よりペースを落としながらも、引き続き訪問客を受け入れています。
しかし2020年はロックダウン後7月中旬まで閉鎖していたことが響き、年間入場者数は86%減少しました。
現在、金〜日と祝日のみながら、その扉を開放しています。
一般チケットは通常24ユーロですが、現在カタルーニャ市民は半額の12ユーロです。
【ミラ邸 Casa Milà】
Passeig de Gràcia, 92, 08008 Barcelona
Tel : 932142576
グエル邸 Palau Güell
ランブラス通りから Nou de la Rambla通りに少し入ったところにあるグエル邸は、私立ではなくバルセロナ市の公立の施設です。
そのため、以前と同様に開館日の制限はありません。
しかし密を回避するため最大人数の10%〜20%という入場人数制限の下に開館しており、2020年度の訪問客は9割減少したとのこと。
地元市民の入場を奨励する目的で、コロナの緊急・警戒事態が続く現在は入場料は12ユーロから5ユーロに引き下げられています。
【グエル邸 Palau Güell】
Carrer Nou de la Rambla, 3-5, 08001 Barcelona
Tel: 934725775
グエル公園 Park Güell
サグラダ・ファミリア同様、バルセロナの街のシンボルであり、旅行客が外せない訪問地のひとつであるグエル公園。
グエル公園は、有料ゾーンを広げると共に、バルセロナ図書館カードを持つ市民には無料開放し、また近隣住民には早朝と閉園前の時間に開放しています。
もちろん図書館カードをお持ちでなければ、通常の入場チケットを購入して訪問することができます。
この無料入場を利用して、ひさしぶりに訪問したというバルセロナ市民はとても多いです。
以前は他の観光客が写り込まない写真を撮ることは至難の技でしたが、今は運がよければ独り占めの写真撮影も可能です。
グエル公園について記載したものも参考にされてください。
(図書カード説明ページにもリンクしています)。
グエル公園 グエル公園
ビセンス邸 Casa Vicens
グラシア地区にあるビセンス邸は、ガウディが手掛けた最初の主要作品で、1883年から1888年にかけて建設されました。
ガウディが20代〜30代の頃の作品で、一般開放されたのはごく近年です。
当時の建築物によくみられるムデハル様式(イスラム建築とキリスト教建築が融合したつくり)が特徴で、外タイルにはマリーゴールドの柄、内部には様々な自然をモチーフとした装飾が施され、とても美しい建築物です。
2020年の入場者数は前年度と比較し70%減、しかし週末に限り一般公開を続けています。
現在ビセンス邸は金〜日のみ一般公開されています。
ビセンス邸内部 ビセンス邸内部 マリーゴールドの花が施された外部タイル
【ビセンス邸 Casa Vicens】
Carrer de les Carolines, 20-26, 08012 Barcelona
Tel : 932711064
トレ・ベジェスグアルド Torre Bellesguard
バルセロナ市内のGaudí 建築で、開館日が限定されていない施設がもうひとつあります。
それが、最後に紹介する Torre Bellesguard トレ・ベジェスグアルド。
1900-1909年の作品です。
バルセロナの中でも裕福層が多い閑静なサリア地区の、かなり丘の上にあります。
ベジェスグアルドとは美しい眺めという意味。
その名の通り、丘の上にあるベジャスグアルドからはバルセロナ市街の景色が一望できます。
内外部には可愛く美しいタイル装飾が施され、屋上にあがるとガウディらしい面白い屋根の形を見ることができます。
またカタルーニャ主義のシンボルが様々な形で散りばめられているので、そうした視点で見てみるのも面白いでしょう。
カタルーニャの国旗と冠を携えた魚が
施されたベンチ塔の先端部はカタルーニャの旗の色に塗られ、
その先に王冠と十字架が施されている。
内部は、ガイドツアーでのみ入場することができます。
約40分のツアーで10ユーロ、ガイドはカタルーニャ語、スペイン語、英語の3言語です。
言語により時間が決まっており人数制限があるため、事前にネット予約して訪れることをお薦めします。
【トレ・ベジェスグアルド Torre Bellesguard 】
Carrer de Bellesguard, 20, 08022 Barcelona
Tel 932504093
いかがでしたか。
やはりコロナ禍がガウディ建築に与えた影響も大きいですね。
コロナの影響によるスペインの経済不況は深刻です。
でも、やっぱり人間には文化的充足感が必要だな、と思います。
1年間、できるだけ人との接触を避け外出を控える生活を続けてきて、文化や芸術がいかに人の心を満たし癒やすのか、しみじみと実感しています。
入場料を低く設定している施設もあることだし、今週末はどこかにでかけようと思います。
バルセロナの皆さん、おでかけしませんか。
遠くの皆さん。きっともうすぐ、旅ができる日がやってくるはずです!
バルセロナで待ってます💗
では、また!Hasta pronto👋😊
ガウディゆかりのサン・フェリペ・ネリ広場。紹介ページはこちら👇
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Follow @Nanita7777参考資料:
Silvia Angulo, La Sagrada Família reinicia obras para acabar este año la torre de María, en La Vanguardia, 2021/1/24
[https://www.lavanguardia.com/local/barcelona/20210124/6193912/sagrada-familia-obras-final-torre-maria-prevision.html]
Jesús Sancho, La covid contagia a Gaudí, en La Vanguardia, 2021/2/16
[https://www.lavanguardia.com/local/barcelona/20210216/6250050/covid-gaudi-edificios-visitas-impacto-pandemia-barcelona.html]
Casa Batlló cierra sus puertas para proteger de actos vandálicos a sus empleados, visitantes y al icónico edificio de Gaudí, en Casa Batilló Página Oficial[https://www.casabatllo.es/novedades/casa-batllo-cierra-sus-puertas-para-proteger-de-actos-vandalicos-a-empleados-visitantes-y-el-edificio/]